美術館

【美術館】企画展から始めよう。

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昔から思う。美術館って何だか不思議な場所だ。


真っ白な無機質な空間に作品が等間隔で並んでいる。それに沿って来館者がぞろぞろと列を作り、互いに感想を語り合いながら、次へ、その次へと順々に作品を眺めていく。

さらに、絶対に理解出来ない、得体のしれないものさえも「それっぽく」見えるのが、美術館という場所だ。昔読んだ評論で、筆者が飲みかけのペットボトルを壁際においてみたところ、人だかりが出来ていたというエピソードさえあるほどだ。

そんなものだから、なかなか美術館という場所に馴染めない。作品1つ1つに自分なりの解釈をしたい。その上、描かれた背景を納得しながら進みたい私にとって、美術館はなんとも居心地の悪い場所なのだ。

そんな私だが、直近1週間で2つも美術館の展覧会へ足を運んできた。そこで気づいたビギナーにこそ最適な「企画展」という存在について皆さんとシェアしたいと思う。

あくまで、ビギナーによるビギナーのための美術講座と割り切ってご覧頂きたい。

◆上記リンクから各展覧会のホームページへリンクします!◆

なぜ、企画展なのか?

初心者にとって美術館の常設展示は、少しハードルが高いように感じる。

美術館の展覧会は、主に企画展(特別展と呼ぶことも)と常設展に分かれています。

【企画展】テーマや開催期間が設定され、収蔵品以外の作品も展示される

【常設展】期間の設定がなく、収蔵品が展示される

Source: https://mix0048.com/museum-special-normal/

美術館のオーナーや学芸員によって、美術館収蔵(バックヤード)の作品を定期的にセレクトし、展示する常設展。ある程度のテーマを設けているものの、特に説明書がある訳でもなく、画家や作家もバラバラな事が多い。有名な画家の作品を見つけた時や、インパクトの大きな作品には目がいくものの他の作品は何となく「ふーん」で済ませてしまうことが多いのではないだろうか。もちろん常設展にも「安い」「空いている」というメリットはあるものの初心者にはなんだか難しい気がする。

対する企画展は、美術館の収蔵品にとらわれることがない。必要ならば世界中から作品を集め、それらを一同に見ることが叶うのが大きな魅力だ。

学芸員が中心となってテーマを設定し、そのテーマの作品を、個人コレクターや他の美術館へ声をかけて数ヶ月間だけ借りてきて展示するような『期間限定の展覧会』が企画展だ。

例えば、日本でも認知度の高い印象派だけを集めたこちらの展覧会。イギリスのコートールド美術館が臨時休館するのに合わせ、収蔵品を日本に取り寄せた形だ。マネ、セザンヌ、モネ、エドガー、ゴーギャン、ロダンなどの印象派の大スターたちが一堂に会する。

Source: https://courtauld.jp/

私の企画展の楽しみ方

かなり我流であるので、参考までに。

企画展の最大の魅力は 「比較」 出来ることにある。

同ジャンル、同じ画家の作品を一度に見て回ることが叶う企画展。画家1人の企画展であれば、その画家の得を描いていた期間の人生を追いかけることが出来る。岸田劉生展では、1907〜1929までの28年間にわたる創作が時代順に並んでいる。さらに時代ごとにテーマが設定され、せザンヌ初め、印象派に大きな影響を受けた青年期。娘、麗子が生まれ、あの「麗子微笑」が生まれた時期など、メリハリを持って展示を楽しめるのもポイントだ。

私は企画展の展示を3周する。

「芸術初心者」にしか出来ないこともあると思う。知識がない。それは武器にも成りうる。まずは、一通りパンフレットも、絵に対する評も見ずに真っ白な心で1周する。この絵画は、画家のどんな情熱から生まれたのだろうかと妄想を膨らませながら、そしてどんな技巧が含まれているのだろうかと歩く。ここは1番時間をかけて良いと思う。そして2周目、専門家による説明文に目を通しながら歩く。絵画に対する感情は、画家のみぞ知る。全てを鵜呑みにせず、自分の考えと照らし合わせながら見ていくといい。さらに3周目では、気になった作品、お気に入りの作品を気が済むまで見る。

ジャンルごとの企画展であれば、確実に画家たちは互いに影響を受け、与えあっている。描かれた年代を含めて分析することで、その関係性に気づくこともあった。さらに1人の画家を集めた企画展では、画風に影響を与えた画家の境遇や社会情勢に目を向ける必要もある。

帰り際も楽しめる企画展

企画展でのもうひとつの楽しみといえば、ミュージアムショップでのオリジナルグッズ。ポストカード、書籍からTシャツ、トートバッグに至るまで、これでもかっと言うほど多様なグッズが揃う。

ついつい買いすぎてしまうので注意が必要だが…。

ポストカード1枚150円、クリアファイルが650円ほど。

なかなか、自分にはハードルが高いと思っている方もまずは「企画展」から。自分なりのアートへの関わり方を見つけてみてはどうでしょうか?

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